パリでアパルトマンを借りる
最終更新日:2023年07月01日
憧れの街フランス・パリ。
世界中から様々な人がそれぞれの理由でこの街に集って来るため、アパルトマン1の競争率は非常に高く、筆者も契約に至るまでかなりの時間と労力をかけました。
この記事では、その時に使用したサイトや流れ、抑えておきたいポイントを説明します。
前提
パリ市内の1ベッドルームの賃貸を探した際の話が中心となります。
数で振り返る
- 応募総数50件以上
- 内見数15件
- 契約直前まで進んだ件数3件
- 探し始めてから契約まで約1ヶ月
契約までの道のり
ステップ1 - アパルトマンを探す
まず初めにパリに住んでいる知り合いが何人かいたため、空いている/空く予定の物件がないか聞き回りました。
それと同時にウェブサイトでもアノンス2を見始めました。
不動産屋さんに行って相談することも考えましたが、知り合いの中でこの方法で探したことがある人がいなかったため行きませんでした。
使用したウェブサイト
Jinka ( jinka.fr )
アパルトマンが掲載されている主要な各サイト(SeLoger, bien'ici, leboncoin, etc.)を集約してくれるサイト。
このサイトを毎朝確認することを日課にしていました。アプリがあり、こだわりの検索条件でフィルターをかけてメールで通知を受け取ることが可能です。
leboncoin ( leboncoin.fr )
個人オーナーのアノンスが載っているサイト。個人が簡単にアノンスを掲載できるため、詐欺が多いので要注意。
SeLoger ( seloger.com )
不動産会社のアノンスが載っているサイト。個人的には王道のサイト。
bien'ici ( bienici.com )
不動産会社のアノンスが載っているサイト。地図上でアノンスを探したい時に便利です。
MixB ( fra.mixb.net )
パリに住む日本人向けのサイト。アノンスの写真や情報が少ないのが難点。
Ovni ( ovninavi.com )
パリに住む日本人向けのサイト。MixBと違って掲載が有料のため、アノンスの質は高いが数が少ない。
ステップ2 - 応募する
日本であればウェブである程度見て、気になった物件があれば連絡するいう流れが一般的だと思います。
ただパリでは、気に入ったところが見つかっても必ず契約できる訳では無い、そもそも内見が出来るかも分からないため、私は少しでも気になったところにはすべて応募しました。
応募する時にどのサイトでも以下の情報が必要です:
- 名前
- 電話番号
- メッセージ - 雇用形態と月収とともに内見(rendez-vous)をしたい旨を書きました。
❗ 詐欺に気をつける
需要が明らかに供給を上回っているパリのこのマーケットでは詐欺が横行しています3。
応募する際に相手が実際に存在する不動産屋さんであるか、個人オーナーであれば実際にその物件が存在するか確認しましょう。
分かりやすいのは、全く別の物件の写真が使い回されているケースです。画像検索をして確認する方法がおすすめです。
ステップ3 - 内見予約
応募後に内見予約をするフォームがメール送られていくる場合もあれば、SMSや電話で連絡が来る場合もあります。
電話の場合は職業やビザのステータス、収入について聞かれました。
私はフランス語での会話が難しかったため毎度英語で会話できないか聞いていました。
向こうの条件を満たしていると判断されれば、内見の日程の話をされます。
提示された内見の日程に対応できるように予定をフレキシブルにするようにしていました。
この時点で必要書類を送るよう言われる場合もあります。書類は個人情報のため、信頼できる相手であるか確認した上で送付しましょう。
❗ 内見は出来るだけ早い日程を選ぶ
入居者は基本的に早いもの勝ちで、良い候補者が見つかったらそれ以降の内見を中断することがよくあります。そのため、複数の日程を提示された場合は早めの方を選ぶことをオススメします。
ステップ4 - 内見
内見は他の内見希望者と合同で実施される場合もあれば、一人の場合もありました。
書類を持参するように言われたこともありましたが、基本は手ぶらで行きました。
また、個人オーナーの物件であれば入居者の決定権を持っているオーナーが案内してくれるため、相手に好印象を与えることを意識しました。
内見時には、前後で何件の内見予定があるか聞くことで応募の倍率を大体予想していました。
内見を重ねていくと面白い物件にも出逢う
ステップ5 - 審査
審査にあたって大体どこも以下の書類一式が求められました:
- 身分証明証
- 滞在許可証
- 雇用契約書
- 在職証明
- 給与明細書(過去3ヶ月分)
- 保証人に関する書類
- 納税証明書
- 家賃支払証明書(過去3ヶ月分)
在職証明書の発行
会社に頼んだところすぐに発行してもらえました。
フランスの保証人がいない問題
保証人は基本的にフランス人である必要があります。
私は保証人となるフランス人が周りにいなかったため、他の方法で保証する必要がありました。
30歳以下であればVISALE4という賃貸保証制度が無料で使えます。
申請してから証明書が届くまでに数日かかるので、予め申請しておくことをおすすめします。
ただ、物件によってはVISALEを受け付けないところもあるため確認が必要です。
私が契約した物件はVISALEを受け付けなかったため、Garantmeという賃貸保証サービスを使用しました。 こちらは有料ですが、多くのオーナーが保証人の代わりとして受け付けていました。
契約の可能性を高めるために出来る事
数ある入居希望者を差し置いて選んでもらうためには工夫が必要です。
一つは必要書類とともにカバーレターを送ることです。
もし読んでもらえれば、自らの人となりを知ってもらいオーナーの心を掴むことができます。
実際に私は個人オーナーの物件を契約した際に、100以上の応募の中から私を選んだのはカバーレターが決め手であったと言われました。
参考までに私のカバーレターの内容を紹介します:
- フランスの滞在予定期間、仕事の説明
- 引っ越しの理由
- なぜその物件に入居したいか
- 連絡先
- 自分の雰囲気が伝わる写真
もう一つの方法として、家賃Xヶ月分の前払いをオファーすることです。
私はオファーをしてそのお陰で契約までいったケースがなかったためどのくらい効果的であるかは不明ですが、交渉術としてよく使われているそうです。
ステップ6 - 契約
メールで契約書類をやり取りするケースもあれば、直接会ってサインしたケースもありました。
フランスでは住宅保険を契約するのが義務付けられています。
契約の際に住宅保険の契約証明書が必要になるため、準備しておきましょう。
最後に
入居したいのに出来ない。
住宅探しは非常に辛いプロセスですが、フランス人であっても同じ苦労をしているのでとにかく数をこなすことをおすすめします。
また、結局は人と人とのやり取りであるため、絶対に入居したい場合はカバーレターを書くなど色々工夫して試しましょう。
素敵なパリのアパルトマンが見つかることを願っています。
Footnotes
- アパルトマンとはアパートメントのフランス語読みで、建物の中の区切られた1世帯分をさします。 ↩
- アノンス(annonce)とはフランス語で広告という意味です。 ↩
- よくある住宅詐欺の4つの手口(英語) ↩
- VISALEについて ↩
投稿日 2023年07月01日